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タッカー・カールソンによるプーチン大統領インタビューを鑑賞する(5)

いま世界はロシアを中心に動いていると、アメリカ陣営下にいる日本にいても感じられます。というわけで、インタビューの続きです。プーチン大統領がローマ帝国の話をしています。これはなんの比喩でしょうか。

タッカーがキリスト教徒であることと戦争遂行者は両立するのか、と質問します。歴史を見ればもちろんキリスト教徒は大いに戦争をしてきたわけですが、プーチン大統領は歴史をもちださずに簡潔に、祖国を守るためにいかに行動すべきかはっきりしていると答えています。

プーチン大統領は、ロシアのアイデンティティーを熱く語っています。ロシアという国は人種の違いは関係なくて、精神的な価値観を大事し、同じような価値観でまとまっているというようなことをいっています。これは元々アメリカ国の成り立ちと同じだと思いますが、相手のお株を奪う発言です。ロシア人に比べてあなたたち西洋人は実用主義的だとも。

タッカーはプーチン大統領に、米国大統領に戦争終結の提案を直接話したらどうかとしばし促しますが、プーチン大統領は首を縦に振りません。「善意は使い果たした」といい、相手から話し合いの提案があれば応じるという姿勢を強調しています。ミンスク合意なんて最初から守るつもりはなかったとメルケル元独首相からいわれ、ジョンソン元英首相に停戦合意を潰されるなど、これまでさんざん欧米指導者に裏切られてきたことが念頭にあるのでしょう。


# by dayllia | 2024-03-24 15:38 | 時事 | Comments(0)

タッカー・カールソンによるプーチン大統領インタビューを鑑賞する(4)

インタビューも佳境に入ってきました。ここも聞きどころ満載です。

タッカーが、ウクライナ戦争について直截に質問しています。両者の実際のやり取りは見ていただくことにして、面白かったのは、プーチン大統領が、ウクライナを支援するアメリカに「米国はほかにやることがないの?」と切り返すところです。笑ってしまいます。自国の問題をほったらかしにして遠いウクライナに関わろうとする意味わからーんと、バッサリ。戦争を終わらせるには西側がウクライナ支援をやめればよいというのが、プーチン大統の答えでした。

ノルドストリーム爆破について、両者の間で冗談の応酬があった後、タッカー・カールソンが「犯人の証拠があるならなぜプロパガンダに打ち勝とうとしないのか」と問いかけます。そのさいのプーチン大統領の反応と答えが面白いです。愉快に笑って余裕綽々で「米国にプロパガンダで勝つことはできませんよ」と。

それから「ドルを外交政策闘争の手段として使用することは、米国政治指導者が犯した最大の戦略的間違いです」とプーチン大統領は発言し、ドルの基軸通貨としての影響力が低下した現在の状況を指摘しました。米国指導者を「愚かですね」とも。

こうして見ていくと、全体的にプーチン大統領の余裕がとても印象的です。それに加えて、米国指導者の行為を愚かで不合理だときっちりと批判しているところもお見事です。


# by dayllia | 2024-03-17 20:55 | 時事 | Comments(0)

タッカー・カールソンによるプーチン大統領インタビューを鑑賞する(3)

プーチン大統領の歴史“講義”も、近年までやって来ました。ここからはわれわれの記憶に新しいできごとが話題になります。ところが、そのできごとの解釈がメディアの報道とかなり食い違っているところが象徴的です。

2014年ウクライナで政変が起きました。プーチン大統領はこれをクーデターだと明言しています。一方西側の報道では、あたかも自由と民主主義のために抑圧的な親ロシア政権から民衆が独立を果たしたかのような美談とされています。

NATOも、ウクライナ情勢を語るうえで大きな鍵です。NATOは冷戦時代の産物で、ロシアとしては冷戦終結時にNATO体制がなくなることを期待しまた希望していたにも関わらず、そうはなりませんでした。その辺りの経緯が、プーチン大統領の口からかなり生々しく語られます。

驚愕の暴露もありました。ロシアはウクライナとイスタンブールにて停戦合意に達していたが、ボリス・ジョンソン英国首相がやって来てぶち壊したというのです。

タッカー・カールソンの直球の質問に対して、プーチン大統領は思慮深くかわしながらもロシアの立場をはっきりと主張しています。プーチン氏の老獪な?作法もまた、見どころです。


# by dayllia | 2024-03-11 19:49 | 時事 | Comments(0)

タッカー・カールソンによるプーチン大統領インタビューを鑑賞する(2)

ここで語られるプーチン大統領の述懐を百パーセント信じることには慎重でいたいと思いますが、概ね本当だとすると、世界情勢を考えるうえで大変興味深いものがあります。というのも、ソ連崩壊後のロシアは西側との関係修復を望み、またそれがかなうと信じていたから。なぜならロシアはもはや共産主義国ではなく、西側と同じ資本主義の国になったからだと。

2000年に大統領に就任したプーチン氏は、米、欧、ロシアで新たに安全保障体制を築くことを提案、しかし却下。それならばとNATO加盟を内々に打診するも、これも却下。米国はいつも、ロシアに反対する勢力に協力し、事実CIAはその方針を明言したのだと。

プーチン氏率いるロシアは当初より西側、なかんずく米国に拒絶されてきた事実が浮かび上がります。確かにロシアは、ソ連時代から悪のイメージを植えつけられてきました。


# by dayllia | 2024-03-04 20:02 | 時事 | Comments(0)

タッカー・カールソンによるプーチン大統領インタビューを鑑賞する

先月はこの話題でもちきりでした。プーチンvsタッカー・カールソンのインタビュー。

タッカー・カールソンはご存知元フォックスニュースアンカー。当ブログでもしばしばフォックスニュース記事を取り上げました。昨年突然フォックスを首になりましたが、彼の名声はまったくビクともせず、それどころかこのたびのプーチン大統領への単独インタビューでさらに名声が高まったかもしれません

かたやプーチン大統領も、当ブログでは演説を追いかけていた時期もあります。

今日は、マタタビの羅針盤さんによる英語音声に字幕がついた動画をご紹介します。鑑賞というのも変ですが、色々と聞きどころ満載です。

プーチン大統領がウクライナの歴史について講義しています。862年からこんにちまでの大まかな流れが語られますが、忍耐強く聞かないと理解が追いつきません。

日本人はロシアもウクライナも遠い存在ですから両者の違いなどもまったくわからないのですが、プーチン大統領の説明を聞く限り、現在ウクライナと呼ばれる地域は、例外はあるものの大部分が歴史的にはロシア系だということがわかります。

まあお聞きください。


# by dayllia | 2024-03-03 10:46 | 時事 | Comments(0)

日本人の心を覆っている欧米優越主義を脱しないかぎり、本当の意味で英語は活かせないと考える元英語講師が、日本人と英語について綴ります。


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